本講座の趣旨
米国の都市計画家でカーネギーメロン大学教授リチャード・フロリダ氏は、「創造的経済の時代の繁栄は、富の源泉である創造性豊かな人材を引きつけられるかどうかにかかっている。そのためには厚みのある労働市場とともに、開放的で許容度の高い社会的環境が欠かせない。日本にとっては本当の意味で開かれた国になることが課題になる」と述べています。 札幌市は昨年、創造都市サッポロの可能性を「アイデアシティサッポロ」として宣言し、札幌を創造経済の賦活拠点として位置づけました。フロリダ氏は、創造的階級(クリエィティブクラス)と呼ばれる人たちの生態と、都市空間との関係を分析し、都市の再生や発展に不可欠な「創造的階級」の台頭に注目しました。具体的にそれらの人々とは、科学者、技術者、起業家、芸術家、エンターテイナー、デザイナー、ソフトウェアエンジニア、知識労働者たちであるといいます。「そうした創造的階級が労働人口の30-40%を占め、新しく世界の創造的階級を呼び込んでいる都市は、シドニー、メルボルン、バンクーバー、トロント、ストックホルム、アムステルダム、ダブリン、バルセロナといった都市圏で、いわば、世界の人材を吸い寄せる磁石のような都市であるといえます。国際都市サッポロは、いわばこうした新たな都市の息吹に呼応し、世界中のクリエーターやクリエィティブ階層から注目を集める都市のひとつとなっています。
都市の許容度が高ければ、つまり新しい発想・人材に対してオープンになれば、そこに流入する人材や経済活動を活用することが可能となります。社会経済的階級、宗教、民族、性別、生活様式、年齢などを問わず、多様な人材を受け容れる環境こそが、経済資源を拡大するうえで有利になるということです。創造性の時代には、経済成長を担うのは人材であり、個人の創造性によって仕事をする人々のライフスタイルが都市の活性化に大きな役割を果たし、これからの社会を牽引していくと思われます。本講座は、株式会社デジタルガレージ様からの寄付公開講座として、サッポロにおける価値創造経済の賦活化に向けたロードマップを、内外のクリエィティブクラスの考え方やライフスタイルから探っていこうとする企画です。サッポロにおける創造経済の可能性を、市民の方々と共に探って行きたいと考えます。
産学連携講座「価値創造経済へのロードマップ」コーディネーター
札幌市立大学附属図書館長
武邑 光裕



